2017年6月10日・11日に初開催された野外音楽フェス「THE CAMP BOOK 2017」。ここには「never young beach」「大森靖子」といった話題のアーティストが集うだけでなく、数多くの子ども向けの催しが用意されました。驚いたことに主催者はリフォーム業を手がけている株式会社リペアという会社。ここでフェス事業を仕切る樋口大貴さんに、立ち上げの経緯や運営の裏側について聞きました。

第1話
「やりたい」という思いが、すべての原点。

フェス事業はキャンプと音楽への愛から生まれた。

─リフォーム業を展開する株式会社リペアが、なぜフェスを主催することになったのでしょうか?

弊社にはフェス好きな社員が多いのですが、みんなで「何か面白いことをしたいね」「キャンプをして、そこにいろんな人を招待しようよ」と話しているうちに、「キャンプをするなら音楽がほしいね」「だったらフェスにしちゃおうよ」と盛り上がっていったのです。ついには、「会社の事業にしよう」「会社のブランディングにもなるはず」という話にまでスケールアップしていきました。

─「大変そうだ」「できるのだろうか」とは思いませんでしたか?

「面白そう! やりたい!」という気持ちばかりで、そこまでは考えていませんでした(笑)。後先考えずに走り出していたというか。この構想を社長にはじめて相談したのは2年前で、そのときは「おいしいものを食べたいっす!」と外に誘い出して、事業計画書も何もないままに「リペアでフェスを開催したい」と直談判。すると「いいんじゃない」とすんなりオッケーをもらえました。

─会社は、新たな事業の立ち上げにオープンなのでしょうか。

はい。以前にもリフォーム業とはまったく関係のない「キャンプファン」というアウトドア関係のグッズを買い取って売るリユース事業を起こしたことがあります。これも僕がキャンプ好きだからはじまったものです。そんな風に、オッケーさえもらえれば自由にやらせてくれる。「失敗を恐れず、新しいことに挑戦しよう」というベンチャーマインドにあふれた会社です。

僕が入社したときには、5、6人しかいなかったこの会社も、今では80名の社員を抱える大所帯になりました。それでも社風は変わりません。「2020年までに11業界21事業」なんて目標を掲げるほど新しいことに意欲的です。だからこそ突拍子もない「フェスをやりたい」というアイデアを提案できたわけです。

面白そうだと思ったら、迷わず飛び込んでしまう。

─フェスについては、どのように進めていかれたのですか?

まずは事業計画を練りました。正式に事業部が立ち上がったのは、2016年10月です。予算を組んで本格的にスタートを切ってはじめて、フェスを主催することの大変さに気づきました。会社としてもイベントの企画・運営のノウハウはゼロでしたからね。しばらくは「一体何をしたらいいのだ?」と手探りの状態。その上、あてられる人員も時間も限られていました。

そこで手を貸してくれたのが、株式会社インフュージョンデザインさん。「TAICOCLUB」をはじめ、さまざまなイベントを企画・運営をされている会社さんです。「フェスとはなんぞや」という基礎的なことから、準備に必要なものまでを教えていただきました。

─フェスの準備をするにあたって大変だったことは?

開催初年度とあって前例がなく、周囲にどんなフェスかを認知してもらいづらいことが悩みの種でした。アーティストさんをブッキングするにも、どれくらい集客できそうか、どんな雰囲気の会場なのかを伝えにくい。そういった苦労はありましたね。ほかにもPRは難しかった。そもそも自分が何をすべきかが、しっかり見えていなかったので、初年度はやはり大変なことだらけです。

─大変といいながら楽しんでいるようにも見えます。

経験がなくても、押し切って楽しむ傾向はありますね。楽器は弾けない、譜面も読めない、でも歌うのが好き、というだけで、20代の頃は音楽活動をしていました。面白そうだと思ったら決まったレールからはずれてもあまり気にしません。もちろんフェス事業に飛び込めたのは、この会社だったからこそですが、私自身の気質も少なからず関係しているでしょう。好きなことを好きにやってきた過去が、今の自分の土台です。だからこそのフェスだと言っても過言ではないと感じています。

(企画:池田和助、森谷太一 写真:榊智朗 取材:立古和智)

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樋口 大貴

株式会社リペア執行役員
高校卒業後、様々なアルバイトをしながら音楽活動を行う。その後、建築資材の総合商社を経て株式会社リペアに入社。新規出店や店長などを経験し執行役員に昇進。住宅リフォーム業に従事する傍ら、プライベートではフェスやキャンプに数多く足を運び、今年初開催の野外フェス『THE CAMP BOOK 2017』を社内の一事業として立ち上げる。

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